999C05:薬機法(医薬品医療機器等法)

Dその他

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律を簡単に説明します。この法律で規制しているのは、医薬品等です。

※本内容は、法律からのコピペではなく、一般の人にわかりやすく翻訳しているつもりですので、法律と違うというご指摘はご遠慮ください。

法律の目的

薬機法は、「医薬品等の品質・有効性及び安全性を確保し、保健衛生上の危害の発生・拡大の防止を目的」としております。医薬品等とは、 「医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品」の4種 です。

私が学校で教わったとき(当時は薬事法)には、以下の円の重なり合う部分(青色)で、薬理作用があり、かつ、効能効果を標ぼうし、かつ、流通しているものが医薬品であると教わりました。

国は、国民の健康に危害を及ぼすものは、規制が必要で、警察と同じくらい権限を持たせて管理しておりました。例えば、これは万能薬だから、なんにでも効きますといって、変なものが国中に蔓延して、それが後に後遺症が残ってしまう毒だとわかった、というような国民に被害を及ぼすことを防止したいための法律と考えてよいと思います。特に医薬品は、一般の人では見た目で判断がつかないので、効能効果をどのように標榜するかどうかも、とても重要です。

医薬品等の定義(対象は人または動物)

医薬品

  • 局方品
  • 疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的
  • 身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的
  • 上記は器具機械でないもの
    • 医薬品は、医療用医薬品と一般用医薬品に大きく分かれて一般用医薬品はさらに、第1類、第2類、第3類医薬品と分かれております。

医薬部外品:人体に対する作用が緩和なもの

  • 以下イロハの目的のために使用される物

イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ  脱毛の防止、育毛又は除毛

化粧品:人体に対する作用が緩和なもの

  • 人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物

医療機器

  • 疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるもの
    • 医療機器は、「一般」クラスⅠ、「管理」クラスⅡ、「高度」クラスⅢ、「高度:生命に危険が及ぶもの」クラスⅣと分かれております。

薬機法の規制対象

医薬品等の販売、製造販売、製造について、薬機法の規制の対象となります。

販売について:許可は6年毎に更新が必要

医薬品については、販売業の許可が必要です。医薬品の販売業は、薬局、一般販売業、卸売販売業と区分があります。どれも許可が必要です。

医療機器については、高度管理医療機器では、販売業の許可が必要で、管理医療機器は届出が必要です。一般医療機器については、許可も届出も必要なく、自由です。ただ、特例もあります。

医薬部外品及び化粧品についても、許可や届出は不要です。

製造販売について:5年毎に更新が必要

一般的に製薬メーカーがこの製造販売業となり、製造販売業の許可が必要です。医薬品等4種それぞれ別々に製造販売業の許可が必要なので、医薬品の製造販売業を取得していたとしても医薬部外品の製造販売業の許可があるというものではありません。

製造販売業者が、日本市場への流通に対して責任を負う会社となります。製造業者が別の業者であって、その製造業者に直接の責任があっても、不具合や副作用についての責任は製造販売業者が負うという法律となっております。

医薬品製造販売業は、第一種医薬品製造販売業(処方箋薬)と第二種医薬品製造販売業(一般薬)に区分されております。

製造販売業者の要求事項は、3役(総括製造販売責任者、安全管理責任者、品質保証責任者)が必要です。さらに、医薬品・医薬部外品・化粧品の場合には、GVP省令GQP省令の要求事項が必要となり、医療機器については、GVP省令、QMS省令体制省令の要求事項が必要となります。

製造販売業者が、個々の製品について、 製造販売承認申請または、製造販売届出を提出することで、国(行政)に医薬品等を認識してもらいます。

製造について:5年毎に更新が必要

製造業については、医薬品・医療機器・医薬部外品・化粧品毎に、製造業の許可が必要です。製造販売業者が最終的に市場への出荷権限者であるのに対して、製造業は、承認申請書通りの製造が行われることが最低限必要です。

医薬品と医薬部外品はGMP省令に則った製造管理及び品質管理が要求されます。医薬品も医薬部外品もどちらも管理者が必要ですが、医薬品は製造管理者、医薬部外品は責任技術者と呼び方を変えております。

医療機器については、QMS省令に則った製造管理及び品質管理が要求されます。医療機器の場合には、ISO13485とQMS省令はほぼ内容が同じなので、第三者機関によるISO13485の取得をしていると、製造業の更新の時には、医薬品等に比べ比較的にわかりやすく更新審査が受けられます。管理者は責任技術者です。

化粧品製造業については、人的要件として責任技術者の設置、物的要件として薬局等構造設備規則で取得できるようです。

許可と届出

許可は、行政に対して申請して許可が下りるまで、その行為をしてはいけません。つまり、行政に申請したからといって、かってに薬局を開いてはダメです。申請して、行政が現地調査に来て、行政の中で許可権限者の名前で許可証が発行されるまでは、業を行ってはいけません。

届出は、行政に提出するもので、主として実施後となります。薬機法の場合、30日以内に届け出るものが多いと感じております。届出の代表的なものは、結婚届です。

製造販売業者と製造業者の関係概念図

品目について

医薬品等は、基本的には承認申請書を起票して品目ごとに承認を受けなければなりません。同じ成分や形状のものは、入り数毎に承認申請書を起票する必要はなく、入り数違いについても同じ承認品目となります。承認を受けることで、国がその医薬品等を認知するという考え方で良いと思います。承認時に適合性調査を行い、その後5年毎に適合性調査を受ける必要があります。

ただ、規格が決まっているもの等は、届出であったり、認証登録であったり、品目によって違ってきます。医療機器のクラスⅠについては、届出が必要で特に承認は必要ではありません。その場合には、届出番号を記載することとなっております。

品目ごとに、製品標準書を設けなければなりません。法的な要求事項は、製品標準書は製造業者が必要、製造販売業者は品質標準書が必要と名称の違いを設けておりますが、製品標準書が品質標準書の内容を網羅していれば、製品標準書に統一できると考えております。

営業活動について

医薬品等の営業を行う上で、ただ売れば良いというのではなく、GVP省令に則って市場からいろいろな情報を製造販売業者に報告する必要があります。

医薬品ではMR(Medical Representative:医薬情報担当者)が、組織だってMR認定を行っております。

医療機器でも、MDIR(Medical Device Information Representative:医療機器情報担当者)となり、安全管理情報を積極的に収集し、提供しなければなりません。

医薬部外品・化粧品でもGVP省令を遵守した活動が要求されております。

また、製品回収等の安全確保業務が必要となった場合には、企業を代表して積極的に国民の安全確保のため、努力する必要があります。

薬機法

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