内部監査は、本当に素晴らしい文化だと思います。ISO9001で誰が考えたのか、本当に考え付いて要求事項に入れた人を尊敬します。私の知っている日本の品質管理には、この文化はありませんでした。どちらかというと経営管理的な観点から入ったのかとも思えます。
品質マネジメントシステム（以後、QMSと略します）
内部監査の要求事項（私の解釈です。）
内部監査の要求事項は、
会社はQMSの状況をトップマネジメントに提供するために、
定められた間隔で内部監査を行うこと。
QMSに関する会社のマニュアルと規定が定めた事項を守っていること。
ISO9001の要求事項が適合していること。
QMSが実行され、維持していること。
内部監査に関する文書を作って、監査計画から実施、維持までを行うことを規定し、その計画は、被監査部署の重要性や、前回の内部監査の結果を考慮して計画すること。
監査基準や監査の範囲を決めて内部監査を行うこと。
監査プロセルの客観性と公平性を確保するために、監査員を選定すること。
監査の結果を関連する管理層に報告すること。
遅延なく修正処置を行い、是正処置を行うこと。
監査の記録を保存すること。
実際に行うこと
要求事項は、前項で記載しましたが、具体的にどのように要求事項に合致させていこうと考えると、まずは、品質マニュアルに内部監査があることと、内部監査規定を守るように記載する。これで、当社は、内部監査を行うことを社内外に通知したことになります。
次に、内部監査規定を作成します。その内容の中には、ISO9001の要求事項をまずは入れておいて、内部監査を管理する部署を明確にして責任部署（者）を明確にします。一年の内に何回実施ということも規定してください。責任部署が内部監査の計画を立てること等、前項目に記載した内容は、すべて規定の中に盛り込んでください。
内部監査責任部署は、一年毎に内部監査をどのように行うか、部署と監査員を3月に決めて、管理層と相談して計画を立ててください。その計画を内部監査の直前で公開し、各部署と監査員とで、日程の調整を始めてもらい、期限を切って内部監査を実施してもらってください。内部監査の計画は、品質記録として保存してください。
内部監査が計画にそって実施されるのは、時期だけでなく、計画に沿った内容について内部監査を行うようにしてください。内部監査員の好き勝手な監査方法では、監査基準や監査の範囲を決めて内部監査を行うことに違反してしまいます。
内部監査員は、内部監査計画書に記載された内容にそって、内部監査を行い、指摘事項を指定様式に記載したら、被監査部門の確認印（サインでも可）をもらい、是正計画書の作成を依頼してください。
指摘事項について、修正計画、是正計画案が提出され、修正計画と是正計画が実施されたら監査フォローを行い、是正になっているか確認を行い、適切であれば、内部監査責任部署に記録として回してください。
内部監査が完了したら、その内容を上司に報告するような仕組みとしてください。上司が部下の状況を客観的に監査された内容を把握することは、とても重要です。
内部監査責任者は、監査の結果をまとめて、マネジメントレビューに報告する資料の作成を行ってください。
内部監査は、重要な仕事の一環
内部監査は、監査する側も監査される側も、通常の作業時間内に行われるので、指摘事項があるととても面倒で、指摘事項を両者でなかったことにしてしまいがちです。
しかし、会社は、作業時間を削ってでも内部監査をすることを指示しているので、その重要性を認識して、決して適当な内部監査を行ってはいけないと思います。
会社のパフォーマンスを上げる重要な業務であるので、このルールをうまく利用してより良い会社づくりを全員でめざしましょう。
コメント