999C01:素材について

999:パソコン以外について

素材面で、まず初めに理解しないといけないこと。社会に入ったら、まずいろいろ覚えなければならないことがあると思いますが、ここでは最低限、知らなければならないものだけ紹介します。

まず、熱可塑性樹脂3つ

PE ポリエチレン エチレンの重合体

PP ポリプロピレン プロピレンの重合体

PET ポリプロピレンテレフタレート ポリエステル

重合体とは、物質同士が反応して、二重結合が外れポリマーとなること。この単体の物質がどれだけ結合しているかを重合度といって、同じ物質でも重合度の違いで、物性値がちがってきます。それは、専門的なホームページで閲覧してください。

これらは、パッケージの素材でも使われるし、不織布の素材としても使われる。

それぞれ、耐熱温度が、

PE 80度付近

PP 120度付近

PET 150度付近と、融点が違うことから熱接着が可能となっていて、熱融着型の不織布は、この仕組みを利用して、不織布としている。パッケージについても同じで、ほとんどのパッケージは、上記の複合素材となっているので、封をするのに熱シールが可能。

その他、PVC 塩ビ ボリビニルクロライドは、今やほとんど、ディスポ製品には使われなくなっていますが、以前のプラスチックは、ほとんどこの素材で、日本の工業の発展に寄与してきた物質であると思っております。塩素が入っているので、燃やした時にダイオキシンを発生する可能性が高いのと、当社ではEOガス滅菌した時に、ガスの吸着が高く、ガス抜きがしにくいために、素材として使えにくいと考えております。塩ビも融点は、100度以下で、扱いやすい素材であったと言えます。

ポリエチレン、ポリプロピレンは、ほとんど疎水性で、ポリエステルだけ若干の親水性を持ってますが、基本的にはどれも疎水性ですので、水を弾いてしまいます。紙おむつ等の表面材に使用しているのも、これらの素材なので、普通は水を弾いてしまい吸収しないのですが、親水性にするための処理(オイリング)を行って吸収できるようにしてあります。立体ギャザーについては、疎水性が要求されるので、逆に親水処理が必要ありません。

不織布の製法について、

上記、素材の融点を利用した不織布の製法は、熱融着製法で、基本的に2つの物資が使われております。

しかし、今や製法が進んで、スパンボンド製法、メルトブロー製法のように、単一の素材なのに、素材を糸状に成形して固まる前に同じ糸同士をくっつけてしまう製法が出てきて、今やこちらの方が主流となってます。スパンボンドとメルトブローの違いは、糸を押し出す穴の大きさと速度の違いだと認識してます。最近ではスパンボンド製造機とメルトブロー製造機を直列に繋いで、SMS(スパンボンド、メルトブロー、スパンボンド)であったり、SMMSの構造の不織布が一般化しています。メルトブロー不織布は、マスクのフィルターに使われております。

その他、熱で融着が困難な物質、例えば、綿、レーヨン等の水を吸収しやすい不織布を作る場合、熱ではくっつかないので、水流を脱脂綿のようなウェブ状のものに強力にあてて水の力で繊維同士を絡めて不織布を製造する方法をスパンレースといいます。スパンレースは、スパンレースの製造に水を再利用している設備が多いので、その水がだんだん汚れてきて、医療用には使いにくく、管理が必要です。

以前は、不織布を製造するのに接着剤系を使用していたので、ホルムアルデヒドの検出を試験しておりました。その名残で、生理用ナプキンとマスクの試験には、未だにホルムアルデヒドの試験項目があります。

一般的な紙

不織布と言えば、紙も不織布の仲間で、水の中に紙の繊維を溶かして、それを毛布で抄くってウェブ状にして、大きなアイロンで水分を蒸発させて紙を製造します。そのことを、抄紙と言い湿式不織布ともいいます。

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